土地活用コラム

田舎の土地活用アイデア7選!注目の理由やメリット・デメリットも紹介

2025年現在、国内では利用されないまま放置される土地の増加が大きな課題となっています。背景には人口減少や高齢化などの問題があり、特に地方での増加が顕著です。

有効活用をしていない土地は、所有者にとって固定資産税や管理の負担が重くのしかかる、悩ましい存在といえます。特に都市部から離れた地域の土地については、今後どう活用すべきか分からないと感じている方も少なくないでしょう。田舎ならではの広さや豊かな自然環境をうまく生かすことができれば、新たな収益源を確保したり地域貢献につなげたりできるはずです。

本記事では、田舎の土地ならではの活用アイデアを7つご紹介します。後半では、近年注目を集める背景や田舎の土地のメリット・デメリット、成功のポイントについても解説しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

※参考:国土交通省.「令和7年版土地白書」,(参照2025-09-18).

※本記事は2025年9月の内容です

田舎の土地活用が注目される背景

国土交通省の資料によると、2008年から2018年の10年間で日本国内の空き地は約2倍に急増しています。面積にすると632km²から1,364km²へと拡大し、宅地などに占める空き地の割合(空き地率)も6.5%から12.4%へと上昇しています。

特に目立つのは、地方部での空き地率の上昇です。都道府県別にみると、2008年の時点で空き地率が10%を超えていたのはわずか8県で、15%を超えていたのは1県に過ぎませんでした。ところが2018年になると、10%超の県は33県、15%超の県も18県にまで増加しています。

空き地増加の要因として、まず挙げられるのが人口減少や高齢化による土地需要の縮小です。相続をきっかけに土地を取得し、そのまま使われずに放置されるケースも少なくありません。

冒頭で触れた通り、土地を相続すると固定資産税や管理コストが発生するため、買い手や利用方法が見つからなければ所有者にとって単なる負担となってしまいます。加えて、空き地を抱える地域にとっても景観の悪化や不法投棄といった課題が発生するでしょう。こうした背景から、近年では田舎の土地活用が注目されています。

※参考:国土交通省.「増加する空き地の現状について」,(参照2025-09-18).

田舎の土地活用におけるメリット・デメリット

田舎で土地を活用する場合、メリットとデメリットの両面があります。

まずメリットとして挙げられるのは、都市部に比べて広大な土地を低コストで利用できる点です。土地の広さを生かせば都市部では難しい大規模な活用が可能となり、より効率的な収益化を目指せるでしょう。さらに、固定資産税の軽減や相続税対策につながるケースもあり、所有者の経済的負担を抑える効果が期待できます。加えて、自然環境への配慮や地域資源の活用を組み合わせることで、地域の活性化や観光需要の拡大にもつながるはずです。

一方のデメリットとしては、期待したほどの収益を得られない可能性がある点が挙げられます。田舎は人口が少なく需要も限られやすいため、活用方法を誤れば赤字に陥るリスクがあるのです。例えば交通の便が悪い地域で駐車場経営を始めた場合、利用者が想定より少なく、計画していた期間内に初期投資を回収できない恐れがあります。また将来的に人口減少が見込まれる地域では、経営開始から一定期間は利用者を確保できても、長期的な収益が維持できない可能性が高いでしょう。

立地条件や需要、リスクを的確に見極め、しっかりとした計画に基づいて活用方法を選択することが大切です。

田舎の土地活用アイデア

田舎の土地は、田舎ならではの広さや自然環境を生かせる一方で、活用の選択肢が都市部とは大きく異なります。ここでは、代表的な7つの活用方法を紹介します。それぞれ初期費用や需要、利回りの傾向が異なるため、自分の土地の立地条件や将来の目的に合わせて検討してみてください。

駐車場経営

観光地や駅、公共施設の周辺は、田舎であっても駐車場の需要が一定数見込めます。都市部のように短時間利用のコインパーキングが主流ではなく、月極や大型車両向けの契約がメインです。駐車場経営は、アパート経営など建物を新設する方法と比べて初期投資を抑えやすく、安定した収益が期待できます。しかし立地によっては利用者が限られてしまうため、事前の需要調査が不可欠です。

太陽光発電

高層ビルなどに周囲を囲まれていない田舎の土地なら、日照時間に恵まれるケースが多く、太陽光発電を行うことで売電収入が得られる可能性が高いです。一定の広さのある土地を確保できれば、その分規模の大きな設備を設置できるでしょう。2025年現在は、脱炭素の観点から国も太陽光発電の導入を推奨しており、各都道府県では助成金なども実装されています。

ただし、電力の販売価格などが決まる「固定価格買取制度(FIT)」は年々条件が変わっているため、投資回収期間や収益性のシミュレーションを事前に行うことが重要です。

※参考:経済産業省.「今後の再生可能エネルギー政策について」,(2025-09-23).
※参考:愛知県.「再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金・省エネルギー設備等導入支援事業費補助金の交付申請の受付を開始します」,(2025-09-23).
※参考:経済産業省資源エネルギー庁.「今後の再生可能エネルギー政策について」,(2025-09-23).

貸地・貸倉庫

使っていない田舎の土地は、資材置き場やトラック駐車場、農機具の倉庫などとして貸し出す方法もあります。長期契約を結びやすく、安定した収入につながる点が魅力です。しかし用途が限定されるため、周辺環境や立地に応じて需要があるかどうかを確認してから取り組む必要があります。

農地活用(市民農園や農業参入)

農地をそのまま市民農園や貸し農園として提供する方法は、都市部からの移住者や週末農業を楽しみたい人からの需要があります。農地転用が必要な場合は法的な手続きが伴うため注意が必要です。また、新規就農や6次産業化に取り組む場合は、農業経営の知識や販路の確保が欠かせません。

※参考:農林水産省.「農地転用許可制度について」,(2025-09-23).

宿泊施設(民泊・キャンプ場など)

自然環境を生かしたキャンプ場やグランピング施設、空き家を活用した民泊などは、観光需要のある地域で特に有効です。都会からの旅行客をターゲットにできるため集客力があれば収益性は高まりますが、初期投資が大きく、運営・管理の負担も発生します。シーズンによる利用率の変動にも留意が必要です。

福祉施設(介護施設・保育園など)

高齢化が進む地域では介護施設の需要が高く、社会的意義もある活用方法です。また、子育て世代が多い地域では保育園や幼稚園としての利用も考えられます。初期投資や運営体制の整備が必要となりますが、安定した長期利用が見込める点は大きなメリットです。

その他(資材置き場など)

規模は小さくても手軽に始められる方法として、自動販売機の設置やコインランドリーの運営があります。工事業者や運送業向けの資材置き場として貸し出す活用も有効です。大規模な投資を避けたい場合や、土地を暫定的に利用したい場合に検討しやすい選択肢といえます。

田舎での土地活用を成功に導くポイント

田舎の土地活用は、都市部以上に立地条件や需要の見極めが重要です。安易に始めると投資回収が難しくなる可能性があるため、事前の調査と計画を徹底することが成功への近道となります。ここでは、押さえておくべき4つのポイントを解説します。

需要調査と立地条件の確認

土地の活用を検討する際は、まず周辺の需要を的確に把握することが欠かせません。地域の人口動態や交通インフラ、観光資源の有無などを調べることで、土地に合った活用方法を選択できます。また、水道・電気・ガス・インターネットといったインフラの整備状況や、将来的な転用のしやすさも確認しておくと安心です。こうした調査を怠ると、立地に合わない事業を選び失敗につながりかねません。

法律・制度のチェック

田舎の土地を活用する際は、農地法や都市計画法などの法規制に注意が必要です。農地を転用する場合は行政の許可が不可欠であり、用途によっては活用できないケースもあります。

また土地を活用することで固定資産税や相続税の負担軽減につながる場合もあるため、税制面の確認が重要です。国や自治体が実施している助成金・補助金制度を活用できれば、初期費用の負担を軽減できる可能性もあります。

収支シミュレーションとリスク管理

土地活用は初期投資に加え、維持管理費や運営コストがかかります。そのため、事前に収支シミュレーションを行い、投資回収期間や想定利回りを試算しておくことが大切です。また稼働率の変動や利用者減少などリスクを想定し、複数のシナリオでシミュレーションしておくと、予期せぬ事態に備えやすくなります。

まとめ

田舎の土地活用は、立地や規制の影響を強く受けるため、自己判断だけで進めるのは危険です。不動産会社や税理士、行政機関といった専門家に相談することで、客観的なアドバイスを得られます。また最新の法制度や補助金情報を把握している専門家のサポートを受けることで、リスクを抑えながら効率的に土地を活用できるでしょう。

貝沼建設では、遊休地の活用方法にお悩みの方に対し、資産価値の向上と快適な運用をサポートしています。田舎の土地を活用したいとお考えの方には、ぜひお気軽にお問い合せください。

監修者:戸田 好政
役職 企画本部副本部長
資格 不動産コンサルティングマスター 宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士 
   管理業務主任者 2級FP技能士
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