土地活用コラム

アパート経営を辞めたい!辞めるときの手順や費用、続けた方が良いケースを解説

「管理が面倒」「空室が増えて赤字になっている」などの理由で、アパート経営を辞めたいと考える方もいるでしょう。アパート経営を辞める際は、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。

本記事では、アパート経営を辞めるのに適したタイミングや続けた方が良いケース、辞める場合の手順、費用、注意点を解説します。アパート経営を辞めたいと考えている方は、ぜひ本記事をご活用ください。

 

アパート経営を辞めるのに適したタイミング

アパート経営を辞めるかどうかを決めかねている方もいるでしょう。もし、これから紹介するタイミングに該当するなら、辞めることを決断しても良いかもしれません。アパート経営を辞めた方が良い4つのタイミングを解説します。

赤字が続いているとき

空室が続いたり老朽化によって修繕費用がかさんでいたりするときなど、赤字が続いているのなら、アパート経営を辞めるべきタイミングかもしれません。経営が悪化すればするほど、売却が難航する可能性も高くなります。収益が落ち始めている場合も、将来を見据えて売却を検討すると良いかもしれません。

目標の収益を達成したとき

アパート経営を始める際に設定した収益目標に達したのであれば、経営を辞めることを検討しても良いでしょう。投資としてアパート経営をしている場合、目標収益に到達した時点で売却するのは、有効な戦略の一つです。利益が出ている内に売却することで、赤字を抑えられます。

減価償却期間を過ぎたとき

建物の減価償却費は、法定耐用年数にわたって経費として計上できるため、節税効果があります。耐用年数を超えるとこの節税効果はなくなりますが、経営としては収益性やローン残債、修繕リスクなど他の要素と併せて総合的に判断する必要があります。

ただし、新築アパートの場合、耐用年数よりも短くローンが組まれているため、減価償却期間を超えても経営を続けた方が収入を得続けられます。ケースバイケースになるため、ローンの返済期間も踏まえて検討しましょう。

意図せずアパートを相続したとき

親がアパート経営をしていた場合、遺産としてアパートを相続することがあります。そのまま経営を引き継ぐことも可能ですが、経営する意思がない場合や、物件が遠方にある場合は、売却するのも一つの方法です。

 

アパート経営を続けた方が良いケース

アパート経営を辞めたいと思っている場合でも、状況によっては続けた方がメリットが大きいケースもあります。ここからは、アパート経営を続けた方が良い3つのケースを紹介します。

立地が良い場合

立地が良い場所にアパートがある場合、経営を見直すことで収益をアップさせられる可能性があります。現時点で入居率が低い場合は、リフォームを行ったり管理会社を変更したりすることを検討してみると良いでしょう。

入居率が高い場合

立地がそれほど良くない物件でも入居率が高いなら、そのまま経営を続けた方が良いかもしれません。入居率が高いかどうかは、以下の条件で判断できます。

  • 空室が出ても、3カ月以内に入居者が決まる
  • 各室の入居期間が長い
  • 周辺に同じような条件の物件がない

この条件に当てはまる状態が長く続いているのなら、今後も収益が見込める可能性が高いです。

辞めたい理由が管理の煩雑さの場合

アパート経営を辞めたい理由が、管理の煩雑さなのであれば、経営を続けることを検討してみましょう。

アパート管理は手間がかかりますが、管理会社に完全に任せる方法もあります。現在ある程度の収益が出ているのなら、管理委託費用が発生しても、収益が上回る可能性は十分にあります。一度管理会社に相談してみるのも方法の一つです。

 

アパート経営を辞める手順

アパート経営を辞める際は、どのようなことをしなくてはならないのでしょうか。アパート経営を辞める手順を見ていきましょう。

1. アパートの処分方法を検討する

メリット デメリット
建物・土地を売却する
  • 解体費用や立ち退き料が発生しない
  • 売却までの手間が少ない
  • 買い手が見つかりにくいことがある
  • 値下げ交渉される可能性がある
更地にして土地だけ売却する
  • 立地が悪くても買い手が付きやすい
  • 解体費用や立ち退き料が発生する
  • タイミングによっては、固定資産税が高くなる
他の用途で活用する
  • 現状に合った土地の有効活用ができる
  • 解体費用や立ち退き料に加え、建設費用・工事費用が発生する

2. 入居者への対応を検討する

次に、入居者への対応も検討しなければなりません。

建物・土地を売却する場合で、現在入居者がいるのなら、入居者ごと売却することも可能です。このような形で売りに出される物件は、「オーナーチェンジ物件」と呼ばれます。買い手としては、入居者募集などの手間がなく、購入後すぐに家賃収入が発生するため、比較的人気が高いです。この場合入居者との交渉などは発生しませんが、一般的には「賃貸人変更通知書」を送付する必要があります。

アパートを解体して売却する場合や、他の用途で活用する場合は、入居者に立ち退いてもらわなければなりません。借地借家法では、立ち退きを求める場合には正当事由が必要とされており、通知は少なくとも6カ月前とされています(※)。しかし、通知を出せば確実に立ち退いてもらえるわけではなく、立ち退き交渉や補償も重要な要素です。円満に交渉を進めるためには、弁護士等専門家の助言を受けることが望まれます。

※参考:e-GOV法令検索.「借地借家法」.“第二十六条” ,(参照2025-04-28).

3. 公共料金や各種契約の解約をする

アパート経営を辞める際は、共用部分の電気・ガス・水道などの公共料金や各種契約の解約手続きを行わなければなりません。

またインターネットやケーブルテレビなどをオーナーが契約している場合は、それらの解約手続きも必要です。解約しなければ、基本料金は請求され続けてしまうため、忘れずに解約しましょう。

4. 廃業届を提出する

個人事業主として開業届を提出している場合、アパート経営を辞める際に廃業届を提出する必要があります。

消費税を支払っていた場合は「事業廃止届出書」、青色申告で確定申告をしていた場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も提出しなければなりません(※1)(※2)。提出する書類は経営内容や状況によって異なるため、事前に確認しましょう。

※1参考:e-GOV法令検索.「消費税法」.“第五十七条第一項第三号”,(参照2025-04-28).
※1参考:e-GOV法令検索.「消費税法施行規則」.“第二十六条第一項第四号”,(参照2025-04-28).
※2参考:e-GOV法令検索.「所得税法」.“第百五十一条”,(参照2025-04-28).

 

アパート経営を辞める際に発生する費用

アパート経営を辞める際には、以下のような費用が発生します。

費用 内容
譲渡所得税・住民税 アパートの売却によって得た利益に対してかかる所得税・住民税。売却翌年に行う確定申告で税額が決定される。
不動産登記抹消費用 不動産の所有名義変更で発生する費用。原則不動産1つにつき1,000円、アパートと土地を売却する場合は、2,000円かかる(※)。
解体費用 アパートの解体にかかる費用。相場は木造で「延べ床面積の坪数 × 3~4万円」、鉄骨構造で「延べ床面積の坪数 × 3~8万円」 。
立ち退き料 入居者に対して支払う費用。法律で金額は定められていないが、家賃数カ月分に迷惑料を上乗せするのが一般的。立ち退き交渉で金額を交渉する。

※参考:津地方法務局.「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」,(参照2025-04-26).

 

アパート経営を辞める際の注意点

アパート経営を辞める際は、どのような点に注意しておけば良いのでしょうか。

提出が必要な書類の期限に気を付ける

アパート経営を辞める際は、提出が必要な書類の期限に気を付けましょう。

前述した通り、アパート経営を辞める際は、経営内容や状況によって、廃業届など提出しなければならない書類があります。廃業届の場合、廃業の事実があった日から1カ月以内です(※)。必要な書類を確認する際に、提出期限も併せて確かめ、期限までに提出するようにしてください。

※参考:国税庁.「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」,(参照2025-04-26).

トラブルが起きた際は弁護士への依頼を検討する

アパートを辞める際にトラブルが起きた場合は、弁護士に依頼することも検討しましょう。

アパートを解体する場合、スムーズに入居者が立ち退きに応じてくれるとは限りません。もし交渉が難航したり法外な立ち退き料を要求されたりした場合は、弁護士に依頼するのも方法の一つです。

 

アパート経営を辞める前に一度プロに相談してみよう

赤字続きだったり、目標収益に到達したりしたのであれば、アパート経営を辞めることを検討しても良いかもしれません。しかし、立地が良い物件や入居率が高い物件の場合や、経営を辞めたい理由が管理の手間なのであれば、見直してみることをおすすめします。ご自身での判断が難しいなら、プロに相談するのも一つの方法です。

さまざまな不動産管理プランをご用意している貝沼建設では、個別事情に合ったプランをご提案します。アパート経営を辞めるかどうかで迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。

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