土地活用コラム
土地活用の相談はどこにするのが良いの?相談先の選び方やコツを解説
両親から相続した土地の活用方法に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。どう活用すればメリットが得られるのかが分からない場合、まずは専門家に相談してみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、土地の特性や資金計画に合った活用プランを見つけやすくなります。
本記事では、土地活用の主な相談先や選ぶ際のポイント、相談から活用までスムーズに進めるコツを解説します。活用方法に応じた相談先の選び方も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
土地活用はどこに相談すべき?
土地活用の相談先は、相談内容によって異なります。
ここでは、以下の3つに分けて主な相談先を紹介します。
- 土地の活用に関する相談
- 土地活用に伴う資金面の相談
- 法律に関する相談
土地の活用に関する相談は建設・不動産関連会社
土地をどう活用すべきか、どのように活用すればメリットを生み出せるのかといった悩みの相談先は、主に以下の通りです。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 建設会社・デベロッパー
- 不動産会社
- 特定の土地活用に特化した会社
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、賃貸住宅や戸建て住宅などの建築を得意としており、企画からプランの設計、施工までワンストップで対応できる点がメリットです。あらかじめ土地活用プランが用意されているケースが多く、予算や希望に合った活用方法を見つけやすいでしょう。
また土地に建物を建築するだけではなく、建築後の管理や運用サポートなども請け負ってくれる場合があります。建築後の管理・運用までサポート体制が充実しているハウスメーカーを選べば、長期的な事業計画や収支の見通しを立てやすくなります。
工務店
工務店は、地域密着型で土地活用をサポートしてくれる相談先です。賃貸住宅や戸建て住宅などの建築を得意としていますが、ハウスメーカーよりも土地活用プランの数が少ない傾向があります。
しかし、その分自由度の高い設計が可能で、土地の形状や施主の希望に合わせたオーダーメイドのプランを組んでくれる場合があります。不整地で使い勝手が悪い土地や入り組んでいる場所にある土地など、規格のプランでは対応が難しいケースも柔軟に対応してくれるでしょう。
ただし、相談から着工までに時間がかかる可能性があります。スピード重視で早く手続きを進めたい方は、スケジュールを事前に確保しましょう。
建設会社・デベロッパー
所有している土地が広い場合は、建築会社やデベロッパーに相談しましょう。主に大規模な土地開発や商業施設、マンション建築などを得意としており、収益性の高いプランを提案してくれる点が特徴です。
デベロッパーは資金力があるため、広い土地に老人ホームを建設したり、複数棟のマンションを開発したりと、スケールの大きな土地活用を実現できます。
ただし、大規模な施工が必要な分、莫大なコストがかかります。事前に資金計画をしっかり立て、スケジュールに余裕を持ってプロジェクトを進めましょう。
不動産会社
不動産会社は、土地の売却や貸し出しで収入を得たい場合におすすめの相談先です。
地元に特化した不動産会社なら、地域の特性に合った的確なアドバイスが期待できます。地域の相場に合った賃料設定や売却価格の提案を受けられるのもメリットです。
ただし、デベロッパーやハウスメーカーのように、自社での建物建築は難しい可能性があります。
また焦って売却するよりも、活用方法を検討すればより高い収益を生み出せる場合があります。売却以外の選択肢も視野に入れながら、慎重に判断しましょう。
特定の土地活用に特化した会社
駐車場や太陽光発電、トランクルームなど特定の用途に特化した土地活用を提案してくれる会社もあります。
例えば、所有している土地を駐車場にして収入を得たい場合は、コインパーキング運営に強い会社に相談すると良いでしょう。各サービスに特化した専門家にアドバイスをもらうことで、市場の特性に基づいた経営が実現できます。
また賃貸経営と違って建物を建築する手間がかからないため、初期費用を抑えながら手軽に収益化できる点メリットです。
土地活用に伴う資金面の相談はお金の専門家
一般的に、土地を活用するためには、建設費用や運用資金などがかかります。活用の仕方によっては大きなお金が一度に動くため、事前に資金計画を念入りに立てておく必要があります。
資金に関する悩みがあれば、次のようなお金の専門家に相談しましょう。
- 税理士
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 金融機関
税理士
土地活用に伴う税金に関する悩みは、税理士に相談しましょう。
土地を活用する際には、固定資産税や相続税などの税金が発生します。税金関係の手続きは複雑で分かりにくいため、自己判断で進めると申告漏れが発生したり、税金を多く払い過ぎてしまったりするリスクがあるでしょう。
税理士に相談すれば、適切な手順で手続きを進められるのはもちろん、適切な納税額に抑えるためのサポートもしてくれます。どのくらいの税金がかかるのか、税負担を軽減するにはどうしたら良いかで悩んでいる方は、一度税理士に相談してみましょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FP(ファイナンシャルプランナー)は、土地活用に伴う資金計画をサポートしてくれる専門家です。土地を活用して得られる収益を、将来のライフスタイルや資産形成にどう組み込んでいくのか、客観的な視点でアドバイスしてもらえます。
例えば、工務店やハウスメーカーなどで提案してもらったプランをFPに提示し、長期的に無理なく運用できるのかを判断してもらうことも可能です。
ハウスメーカーでは、社内にFPを配置している場合があります。社内FPは、自社商品を前提としたプランニングを行うケースが多いため、中立的な立場でアドバイスしてくれるのかを見極めましょう。
金融機関
金融機関は、土地活用に必要な資金を調達する際に利用できる相談窓口です。活用方法に応じた融資の提案や、資金計画に関するアドバイスを受けられます。
資金調達の相談だけではなく、土地活用のコンサルティングを行っている場合もあります。中にはグループ会社に不動産会社を持っている金融機関もあり、資金面と活用面の悩みを一括して相談できる点もメリットです。
法律に関する相談は弁護士・司法書士
土地活用では、相続登記や名義変更、建築法規など法律に関わる手続きが発生します。法律面の悩みは、専門知識がなければ判断が難しいため、弁護士や司法書士に相談しましょう。
弁護士は相続の権利に関する相談に乗ってくれ、司法書士は不動産登記や名義変更などの手続き全般をサポートしてくれます。
特に相続関係のトラブルは、中立的な立場の専門家が間に入らなければ、感情的な対立につながるリスクがあります。専門家に相談することで、法的な根拠に基づいた冷静な話し合いができるでしょう。
土地の活用方法に応じたおすすめの相談先
土地活用と一口にいっても、人によって選ぶべき活用方法や相談先は大きく異なります。
例えば、不動産の賃貸経営を希望する場合と、駐車場やトランクルームなど特定のサービスに活用したい場合では、頼るべき専門家が変わります。土地活用を実現するには、目的に応じて相談先を適切に選ぶことが重要です。
以下は、代表的な土地の活用方法に応じたおすすめの相談先です。
土地の活用例 | おすすめの相談先 |
マンションやアパート、戸建て住宅の賃貸経営 | ● ハウスメーカー
● 工務店 ● 不動産会社 |
駐車場の経営 | ● 不動産会社
● 駐車場の管理会社 |
トランクルームの経営 | ● トランクルーム専門で経営している会社 |
太陽光発電の設置 | ● 不動産会社
● 太陽光発電事業を実施している会社 |
高齢者施設の建築 | ● ハウスメーカー
● デベロッパー ● 工務店 ● 建設会社 |
第三者への貸し出し | ● 不動産会社 |
土地の売却 | ● 不動産会社 |
このように、土地をどう活用するかによって相談先が異なります。駐車場やトランクルームなどを経営したい場合は、それぞれの分野に特化した会社やコンサルタントに相談しましょう。
土地活用の相談先を選ぶ際に見るべきポイント
土地活用の相談先を選ぶ際に見るべきポイントは、以下の通りです。
- 土地活用の実績が豊富か
- 現実的かつ具体的なプランを提案してくれるか
- 丁寧な対応で相談しやすいか
- 口コミ・評判が良いか
土地活用の実績が豊富か
相談先を選ぶ際は、土地活用の実績が豊富かどうかを確認しましょう。過去にどのような土地活用を手掛けてきたのかをチェックすることで、その会社や専門家の信頼性を判断しやすくなります。
実績を確認するときは、そのプロジェクトがどれほどの効果をもたらしたのかを確認すると良いでしょう。例えば、更地にマンションを建設した結果、入居率が高水準で維持できるようになった、収益が安定したなどの具体的な成果を確認するのがポイントです。
また実績が豊富な相談先なら、過去の事例や経験に基づいたアドバイスや提案をしてくれるため、成果につながりやすいでしょう。
現実的かつ具体的なプランを提案してくれるか
希望条件を踏まえた上で、現実的かつ具体的なプランを提案してくれるかどうかも大切なポイントです。
土地活用は、必ずしも成果が出るとは限りません。立地や周辺環境、市場の変化などによっては、期待していた収益を得られないケースもあります。このようなマイナス要素も含めてプランに盛り込まなければ、リスク回避ができず、結果的に土地活用が失敗に終わる可能性もあります。
理想的な収益だけでプランを提案していないか、現実的な計画を立ててくれているかを事前に確認しましょう。
丁寧な対応で相談しやすいか
相談時に丁寧な対応をしてくれるか、相談しやすい雰囲気がどうかも確認しましょう。
土地活用は、初回相談から契約、施工、運用まで長期間にわたって相談や打ち合わせを重ねる必要があります。そのため、要望を丁寧に聞いてくれないスタッフが担当に付くと、計画の進行に支障が出て思ったような成果が得られない可能性があります。
不安や疑問に親身になって耳を傾けてくれるような、対応が丁寧で相談しやすい担当者なら、土地活用の計画も進行しやすいでしょう。
口コミ・評判が良いか
相談先や専門家の口コミや評判が良いかどうかも重要なチェックポイントです。
実際にサービスを利用した人の声からは、対応の丁寧さや提案内容の満足度、トラブル発生時の対応力などが分かります。Webサイトだけでは分からないリアルな情報を確認することで、信頼できる相談先を選びやすくなります。
ただし、寄せられている口コミや評判だけで相談先を決定するのはやめましょう。評価方法や価値観は、人によって異なります。あくまで参考程度にとどめ、実際のサービスや提案プランなどを確認した上で、総合的に判断しましょう。
土地活用の相談をスムーズに進める5つのコツ
土地活用を成功させるには、相談の段階からしっかりと準備をしておくことが大切です。ただ漠然と相談に行くだけでは、的確な提案が受けられなかったり、余計に時間がかかったりする場合があります。
相談をスムーズに進めるコツは、以下の通りです。
- 相談先の専門性を確認する
- 土地の現状を把握しておく
- 相談費用を確保しておく
- 活用目的・希望条件をしっかり伝える
- 資金計画を立てておく
相談先の専門性を確認する
相談先の得意分野や専門性を確認することで、土地活用の目標を実現しやすくなります。
例えば、賃貸住宅経営に強い会社に相談すれば、建物の提案だけではなく、管理やリスク対策までサポートしてくれる場合があります。土地活用が初めてで方向性が決められない方にとっては、サポート力が強い相談先は心強い存在となるでしょう。
また賃貸経営の中でもマンションを経営するのか、戸建て住宅で収益を得たいのかによって相談先が変わります。自分の土地に合った活用方法を実現するためにも、相談先の得意分野を事前に確認しましょう。
土地の現状を把握しておく
信頼できる相談窓口を選ぶだけではなく、事前に所有している土地の現状を把握しておくのも大切なポイントです。
相談時は、担当者から土地の広さや地形、周辺環境、立地条件などのヒアリングを受けます。事前にこれらの情報を把握しておけば、担当者も土地の特性を正しく理解でき、成果につながるプランを提案してもらいやすくなります。
また相談時は土地に関する必要書類も持参すると良いでしょう。
- 登記簿謄本
- 測量図
- 権利書
- 固定資産税評価証明書
- 建築確認申請書
これらの書類を提示すれば、土地の現状を正確に伝えられ、スムーズに相談や打ち合わせが進みやすくなります。
相談費用を確保しておく
土地活用の相談は無料で行える場合が多いですが、相談先によっては費用が発生するケースもあります。
ハウスメーカーや工務店、建設会社などの不動産関係の会社では、相談を無料で受け付けているケースが一般的です。一方で、弁護士やFP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家への相談は、有料となる場合があります。
事前に相談料の有無や金額を確認し、自分の予算に合った相談先を選びましょう。
活用目的・希望条件をしっかり伝える
土地を何のために活用するのか、どのような条件で活用したいのかを、担当者にしっかり伝えましょう。「安定的な収入を得たい」「相続税対策をしたい」などの具体的な目標を伝えることで、より納得できる土地活用が可能になります。
新たに建物を建築する場合は、内装や広さ、間取りなどの細かい部分の希望も伝えましょう。希望条件を曖昧に伝えると、完成後に「思っていたイメージと違う」と後悔する可能性があります。
土地活用を成功させるためにも、相談の段階から目指しているゴールや希望条件をしかり伝えましょう。
資金計画を立てておく
土地活用を検討する際は、資金計画を念入りに立てましょう。
工務店やハウスメーカー、不動産会社などは、相談時に土地の現状や立地などに合わせたプランを提案してくれます。しかし、提案されたプランが本当に合っているのかが分からない場合もあるかもしれません。
どのプランを選ぶかで迷った際は、税理士や金融機関の窓口、FPなどのお金の専門家に相談するのがおすすめです。初期費用やローンの返済額、ランニングコストまでを見据えた、無理のない資金計画を立てられるでしょう。
土地活用に迷ったら専門家に相談しよう
土地活用の相談先は、希望の活用方法や条件、予算などによって異なります。一人で判断すると、方向性のミスマッチが起こる可能性があるため、迷ったときは専門家に相談するのがおすすめです。相談先の実績や口コミなどを確認し、納得できるところを選択しましょう。
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