土地活用コラム
事業所得者のための土地活用節税ガイド|賢く資産を増やす方法
土地を所有していると、それだけで固定資産税が発生します。そのため、不動産を所有している方は、うまく土地を活用して収入を得ることが大切です。土地活用の方法には、マンションやアパートなどの賃貸住宅経営、駐車場経営など、さまざまな選択肢があるため自分に合った方法で進めましょう。
本記事では、事業所得者の方向けに、土地活用の種類や節税効果、節税する際の注意点などをご紹介します。
なぜ土地活用が事業所得者の節税につながるのか
所有している土地をうまく活用すれば、節税につながります。固定資産税や都市計画税など、土地に関する税金を減らせる可能性があるからです。
例えば、土地や建物を所有していると毎年発生する、固定資産税について考えてみましょう。固定資産税には住宅用地特例があり、建物を建てることで以下のような特例措置を受けられます(※)。
- 200m²以下の住宅用地:固定資産税評価額 × 1/6
- 200m²を超える住宅用地(200m²を超えた部分):固定資産税評価額 × 1/3
200m²以下の住宅用地に建物がある場合、土地の固定資産税評価額は6分の1に減額されます。土地だけを所有している場合と比較して納税額を減らせるため、節税を図りたいときは賃貸住宅経営などを検討しましょう。
さらに、土地の管理費や建物の修繕費などを経費として計上できることも土地活用を行うメリットです。経費計上により、課税対象となる所得金額が少なくなるため、納税する所得税を減らせます。
※参考:総務省.「固定資産税」.“コラム2 住宅用地特例”,(参照2025-05-11).
事業所得者が検討すべき土地活用の種類と節税効果
土地活用の方法としては、賃貸住宅経営や駐車場経営などが挙げられます。ここからは、それぞれの活用方法について詳しく見ていきましょう。
賃貸住宅経営:安定収入と節税効果の両立
アパートやマンションなどの賃貸住宅経営は、土地活用の代表的な手段です。先述した通り、アパートやマンションなどを建てると土地の固定資産税評価額を減額でき、節税を図れます。また、管理委託費や入居者募集にかかる費用、建物の修繕費などを経費計上すれば、より大きな節税効果を得られるでしょう。
家賃収入が入ることも、賃貸住宅経営のメリットです。空室リスクを考慮する必要はありますが、計画的に進めることで安定した収入を得ながら節税を図れます。なお、賃貸住宅経営を始めるときは、入居者の募集方法や家賃設定について十分に検討しておきましょう。
駐車場経営:初期投資を抑えつつ節税できる
駐車場経営は、初期投資を抑えながら節税できる土地活用方法です。月極駐車場やコインパーキングとして活用すれば、利用者から駐車料を得られます。精算機やロック板、車止めブロックなどを設置しなければならないですが、賃貸住宅経営のように建物を建てる必要がないので、高額な初期費用はかかりません。
リスクを抑えて土地活用を始めたい場合は、駐車場経営を検討するとよいでしょう。ただし、駐車場は基本的に更地と見なされるため、固定資産税の住宅用地特例は受けられません。機器のメンテナンス費用や管理費などを経費計上して、節税につなげましょう。
トランクルーム経営:新たな節税の選択肢
トランクルーム経営とは、コンテナハウスなどを設置し、収納スペースとして貸し出す土地活用方法です。新しい土地活用の選択肢として注目を集めています。
トランクルーム経営のメリットは、小さな土地でも有効活用できることです。利用者が荷物を置けるスペースを確保できれば問題ないため、アパートやマンションを建てるときほどの広い土地は必要ありません。
ただし、トランクルームは住宅ではないため、固定資産税の住宅用地特例は適用されません。管理費や清掃費などを経費計上して節税を図りましょう。
土地活用で事業所得の節税効果を高めるポイント
土地活用による節税効果を高めるためには、青色申告を活用したり、経費を正しく計上したりすることが大切です。ここからは、土地活用による節税のポイントをご紹介します
青色申告を活用
個人事業主の確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。より高い節税効果が期待できるのは青色申告です。
青色申告の場合、複式簿記で記帳したり、貸借対照表や損益計算書を作成したりする必要があります。白色申告と比較して手間はかかりますが、最大65万円の青色申告特別控除を受けられるため、節税効果を高めたい場合におすすめです(※)。
確定申告ソフトなどを活用すれば書類作成の手間を削減できるため、無理なく確定申告することもできます。
※参考:国税庁.「No.2072 青色申告特別控除」,(参照2025-05-11).
必要経費の正しい理解と計上
土地活用による節税効果を高めるためには、経費について正しく理解しておく必要があります。そもそも経費とは、事業を進めるために必要な支出のことです。経費として処理できる支出は課税対象とならないため、正しく計上することで所得税を減らせます。
土地活用に関する経費としては、固定資産税や火災保険料、建設費用、修繕費、管理委託料などが挙げられます。当然、事業と関係のない支出を経費として処理することはできませんが、正しく経費を計上することで節税効果を高めましょう。
事業所得者が土地活用で節税する際の注意点
土地活用で節税するときは、事業の規模や所得の種類に注意しましょう。それぞれの注意点について詳しくご紹介します。
事業的規模と見なされるための要件
個人による土地活用が一定の範囲を超えると、事業的規模と見なされ、個人事業税の納税義務が発生します。事業的規模に該当するかどうかは、土地の管理状況や収入状況などを含めて総合的に判断されます。例えば以下のような場合は、事業的規模と判断されるため注意しましょう(※)。
- アパート・マンションなどの貸し付け:おおむね10室以上
- 独立家屋の貸し付け:おおむね5棟以上
節税効果を高めるためには、個人事業税の納税義務を考慮しながら、土地活用の計画を立てることが大切です。
※参考:国税庁.「No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」.“内容”,(参照2025-05-11).
不動産所得との違いを理解する
所得税の対象となる所得は、事業所得・不動産所得・給与所得・雑所得など、10種類に分けられます。アパートやマンションなどの貸し付けによる所得は、基本的に不動産所得に該当します。
さらに先ほどの判断基準により事業的規模に該当した場合、建物の取り壊しに伴う資産損失や、家賃回収不能による貸倒損失などを必要な範囲で経費に計上することも可能です。
土地活用が事業的規模に該当すると個人事業税の納税義務が発生する一方で、さまざまな費用を経費計上できるというメリットもあります。こうした点を踏まえて。総合的な視点で事業規模を検討しましょう。
※参考:国税庁.「No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」.“所得金額の計算上の相違点”,(参照2025-05-11).
まとめ|土地活用で事業所得を賢く節税し、持続的な資産形成を
本記事では、土地活用によって節税するための方法やポイント、注意点などをご紹介しました。事業所得者の土地活用の方法としては、賃貸住宅経営や駐車場経営、トランクルーム経営などが挙げられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った手段で土地を有効活用していきましょう。
さらに、土地活用による節税効果を高めるために、青色申告や経費処理の基本について理解しておくことも重要です。経費を正しく計上して確定申告をすれば、節税効果を高められるでしょう。
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