土地活用コラム

テナントが倒産した場合の賃貸借契約の今後について

今回はテナントが「倒産」して「破産」した場合、賃貸借契約がどうなるのかについて説明します。

 

1「倒産」と「破産」の違いは?

「倒産」と「破産」といった用語は、テナントが経済的に行き詰まった状況を意味するのは共通しており、
区別を意識せずに用いられることが大半です。しかし、法律的には、明確に区別されています。

すなわち「倒産」とは法律用語ではなく、「破産」は法律用語なのです。

よくある例としては、資金繰りが苦しくなり、例えば手形不渡りを2回出して銀行取引停止になった状態が「倒産」、
その後、裁判所に破産手続の申立てをし、裁判所から破産開始決定(かつては「破産宣告」といいました。)を受けることが「破産」といいます。
そして、テナントが明渡しをしないまま「破産」すると、法律関係が複雑となり、オーナーには厳しい現実が待ち受けてしまいます。

 

 

2.賃料滞納が始まったら?

私の印象ですが、特に事業者の場合、経済的に行き詰まったときに支払を後回しにするのが、まず家賃からです。
というのも、保証金を差し入れているという安心感があるのと、税金関係を滞納すると裁判など経ずに
すぐ売掛金などが差し押さえされます。また、取引先への支払いを滞納すると仕入れができなくなり、
事業そのものが続けられなくなるからです。

ですので、2、3か月分の滞納となった場合は要注意であり、賃貸借契約を解除することも検討すべきと思われます。

 

3.テナントの代理人弁護士からの通知書が届いたら?

テナントが倒産状態となった場合、テナントの代理人弁護士から、
通知書(「受任通知書」といいます。)が送られてくることがあります。

通知書には、テナントが倒産状態にあるので破産申立てを予定していること、
オーナーに対して現在の滞納額がいくらなのかの問合せなどが記載されています。

そうなった場合には、すぐに差出人の弁護士に連絡し、1日も早く明渡しを要求すべきです。
この場合、オーナーが検討すべきことは、

すぐに明渡しをしてもらうために、残置物の処理をオーナー負担でもやるか

テナントがすぐに明渡しできないと言い張る場合、明渡裁判を提訴するか です。

 

 

 

4.裁判所からの破産開始決定通知書が届いたら?

弁護士から受任通知書が届いてから、3か月から半年後くらいに裁判所から破産開始決定書がオーナーに郵送されることが通常です。

もっとも、弁護士が受任通知は出したものの、裁判所への予納金が捻出できないなどの理由で、裁判所に申立てがされないということもよくあります。

破産開始決定が出ると、破産管財人という清算人(通常は弁護士です。)が選任されるので、
今度は開始決定書に記載されている破産管財人を相手に明渡しを要求していきます。

 

5.破産管財人の対応

オーナーからの要求に対し、破産管財人は、資金があれば管財人が原状回復までして明け渡ししますが、そこまでできるケースはまずありません。
通常は、残置物については権利放棄をした上で、オーナー負担で処分してもらい、オーナーが要した処分費用(保証金や敷金を充てても足りない分)については配当としていくらか(1割に満たないことも多いです)支払われるというものです。

このように、テナントの滞納が始まって、最悪破産ということになると、明渡ししてもらうまで時間だけが過ぎてしまい、その間の家賃はもちろんのこと、原状回復費用の支払もされないということになります。

したがって、オーナーとしては、滞納が始まったら早い段階で賃貸借契約を解除し、背に腹は代えられないつもりで、1日でも早く明渡ししてもらうことが先決と思われます。

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