家族全員(同居していれば所得制限はありません)の1年間の医療費を合計して年間10万円を超えた人は確定申告で医療費控除によって税金が安くなります。200万円までが控除の対象になります。
例えば年間12万円の医療費の支払があった場合は10万円を超えた2万円が医療費控除対象になります。したがって課税所得が800万円の人は所得税が23%なので2万円×23%=4,600円の所得税が安くなるということになります。住民税も10%分の2,000円が安くなります。課税所得が300万円の人は所得税が10%なので2万円×10%=2,000円の所得税が安くなるということになります。住民税も10%分の2,000円が安くなります。したがって世帯の中で課税所得が1番大きい人でまとめて医療費控除したほうが税金は安くなります。
医療費控除対象になる医療費はその年の1月1日から12月31日までに支払った医療費になります。治療が年をまたいだり、年内に治療を受けて翌年に支払いをする場合などあるかもしれませんが、医療費控除は支払の年にまとめて控除することになります。
医療費の合計金額から保険金など補填された金額を差し引いて、年間10万円を差し引いた金額が控除対象になります。保険金などで補てんされた金額とは、生命保険契約などで支給される入院給付金、健康保険などから支給される高額療養費、家族療養費、介護給付、出産育児一時金(出産一時金の直接支払制度で直接医療機関に支払っている場合は控除しません)などです。通常、振込にて入金されるので通知書なり、通帳で確認ください。
補填される金額が確定申告までに確定していない場合、例えば年末に入院して高額療養費が翌年になって振込まれる予定のときは、見込み額を確認(市役所に尋ねるかご自分で見積もるか)して補填された金額として申告をします。
例えば入院費が10万円で、高額療養費や入院給付金で20万円もらったとして、10万円のもうけになったとしても申告は必要ありません。
さらに個別対応のため、その補填された金額に対応する医療費以外で年間10万円以上の支払があるときはその補填されたもの以外の医療費で医療費控除ができます。
確定申告書に医療費の領収書を添付する必要があります。税務署へ一度提出したら原本は返ってきません。交通費など領収書のでないものは別紙などにメモして集計したものを添付します。
健康保険組合等が発行する医療費のお知らせは利用を証明していますが、支払いを証明していないので領収書としては活用できません。
おむつを医療費控除にする場合は、医師が発行したおむつ使用証明書、2年目以降は、介護保険法の要介護認定を受けている人は市町村長が発行するおむつ使用の確認書又は主治医意見書の写しを添付することで代用できます。
薬局のレシートや領収書でもかまいませんが、治療又は療養に必要な医薬品となり、日用品や化粧品の購入は対象になりません。
タクシー代金は本来は対象にはなりませんが、緊急時のタクシー代金は対象になります。
漢方薬やビタミン剤が医薬品であり、治療や療養に必要なものであるときは対象となりますが、疾病の予防や健康の増進のためのときは対象になりません。薬事法に規定する医薬品に該当しないときも対象になりません。
松葉杖、義手、義足、補聴器などの購入は、医師等による診療等を受けるための通院などに直接必要なものであれば対象になりますが、日常生活において使用するものは対象になりません。
医師が行う場合やあん摩マッサージ指圧師、柔道整復師(法律で定められた専門)が行うカイロプラクティクの施術費用は対象になりますが、資格にない者が行うカイロプラクテックの施術費用は対象になりません。
健康診断や人間ドックの受診費用は対象になりませんが、結果として重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合は対象になります。
インフルエンザなどの予防接種は、予防のための費用なので対象になりません。
近視用メガネの検眼費用は対象になりません。
自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の利用料金、高速道路の利用料金は対象になりません。
病室で使用するためのテレビ、冷蔵庫の賃借料、電気使用料は対象になりません。
病室が用意したシーツや枕カバーのクリーニング代は対象になりますが、患者自身のパジャマ等のクリーニング代は対象になりません。
医師や看護師への金銭のお礼は診療又は治療の対価ではありませんので対象になりません。
個室に入院したときの差額ベッドの料金は、病状や病院の都合などによりやむを得ないときは対象になりますが、(医師の指示によらない)入院する人や家族の都合だけで個室や差額ベッドを利用したときは対象になりません。
診断書や証明書を作成するために病院に支払う文書料は、診療又は治療の対価ではありませんので対象になりません。
保険のきかない金やインプラントの歯でも、対象になります。
介護保険法に定める居宅サービス計画に基づいて、医療系サービスと併せて利用する場合の訪問介護の居宅介護サービス費用に係る自己負担額は対象になります。(指定居宅サービス事業者が利用者に対して発行する居宅サービス利用料領収証には、医療費控除の対象になる医療費の額が区分して記載されます)一般的には居宅サービスの看護、リハビリ、診療の医療系サービスは対象になります。介護と生活介護サービスは医療系サービスと同時に行われるときは対象になります。共同生活介護、入居者生活介護、用具貸与サービスは対象になりません。
特別養護老人ホームなどが発行する指定介護老人福祉施設利用料領収証には、医療費控除の対象になる金額が区分して記載されます。自己負担額の1/2が対象になります。日常生活費として理容代などは対象になりません。
不妊症の治療代や人工受精に際して係る費用は、対象になります。
介護用ベッド代のレンタル費用は、対象になりません。