HOME管理サポート知って得する税務講座 生前贈与と税務について
管理サポート
お問い合わせ お電話・メールフォームからどうぞ
資料請求 商品紹介や土地活用をお考えのオーナー様にご活用いただける資料をお届します。

知って得する税務講座

生前贈与と税務について

貝沼 賢一税理士

1. 両者の合意が贈与成立の条件

贈与というのは民法上の贈与契約をいいます。契約というのは、お互いが納得して成立するものですから、どちらかが知らないなどということはあり得ません。簡単に言うと、自分の持っているものをタダであげますといい、相手方がもらいますといって成立することです。親が子供には内緒で子供名義の預金に入金していたからといっても、贈与していたとはいえません。もらった子供が承知しており、自由に使うことができて初めて贈与が成立するのです。お互いの意思を確認するため、贈与の際には贈与契約書を作成し、贈与した人ともらった人それぞれが自署で署名押印しておけば、贈与事実の証明になりやすいです。契約書に公証役場で確定日付をもらっておけば、時期についてもより確実になります。

2. 相続逃れを防ぐのが贈与税

相続税は人が亡くなった時に支払う税金ですから、生前に全部の財産を贈与して財産がなくなってしまうと、相続税はかかりません。一方何もしないで基礎控除(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)を超える財産を持ったまま亡くなると相続税がかかります。このような不公平な事態をなくし、相続税を補完するための税金が贈与税なのです。
贈与税は、もらった人ごとに課税されるものです。その年の1/1から12/31までの間に例えば、祖父から100万円と父から100万円の贈与を受ければ、両方の合計額に対して贈与税がかかるので200万円の課税対象となり、基礎控除を控除して税率を乗じた9万円の贈与税を翌年の3/15までに申告納付します。

3. もらっても贈与税のかからない財産

扶養義務者からの生活費や教育費のための贈与財産として、必要な都度、直接これらの用に充てるためにもらった通常必要と認められる金額に贈与税はかかりません。したがって節約できてあまったお金を自分の預金に預入れしたり定期を作った場合は贈与税の対象となってきます。つまり非課税にはならないということです。
社交上必要と認められる、香典、花輪代、盆暮れの中元や歳暮、祝い金、見舞金などで、社会通念上相当と認められる金額もかかりません。

4. 相続開始前3年以内の贈与

贈与によって不当に相続税を免れないように、相続開始前3年以内に限って、被相続人から贈与によって財産を取得した人については、贈与された財産を相続財産に加算する制度があります。つまり、相続を予想して行われる3年以内の贈与は、税務上は効果がないのです。
生前に贈与できたのですから財産の移転という意味では成功ですが、相続税対策の観点からは、相続財産に持ち戻しされることになり意味がありません。したがって相続税対策としては、早め早めに計画的に贈与していくのがいいでしょう。また、加算される対象者は相続によって財産を取得した相続人に限られますので、相続しない人に対して贈与するならば問題はありません。例えば、相続人でない子供たちの配偶者や孫たちです。

5. 長期にわたり計画的に贈与するのが成功のコツ

贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。この基礎控除の非課税枠を利用して生前贈与を行うことは、相続税対策として最も効果のある対策でしょう。相続財産を減少させることができるうえ、年110万円以下の贈与額なら贈与税はゼロだからです。相続税のかかる人は、必ず実行したほうが有利になります。また財産の多い方は、無税にこだわって110万円以下の少額な贈与の繰り返しでは相続財産を減少させる効果が低いので自分の将来かかるであろう相続税率より低い贈与税率で贈与するほうが有利になります。先に少ない贈与税を支払い、後に支払う高い相続税を減少させるのが成功の秘訣です。
贈与税の負担を軽くするためには、1人の人に集中して贈与するのではなく複数人(長男、長男の妻、長男の子供など)に分けて贈与したり、一度に贈与せず複数年(今年と来年など)に分けて贈与するのがよいでしょう。

6. 結婚20年以上で配偶者に無税で自宅を贈与できる

たとえ夫婦間といえども、贈与があった場合には贈与税が課されるのが原則です。しかし、配偶者の老後の生活を保障するために、自宅ぐらいは生前にプレゼントしておきたいと思うのも人情でしょう。そこで、婚姻期間が20年以上であり、自宅に住み続けること、贈与税の申告をすることを条件に贈与税の配偶者控除として2,000万円の特別控除があります。基礎控除110万円を合わせると2,110万円までの自宅を無税で贈与することができます。ただし、登記費用と不動産取得税が発生します。したがって相続税のかからない人についてはしないほうが有利になります。

7. 高収益の建物の贈与

1人で収益物件をいくつもお持ちで高額な所得税、住民税、個人事業税、消費税を納めている人については、高収益な賃貸物件の建物のみ配偶者や子供や孫へ贈与しましょう。贈与することにより所得分散ができてご自分の税金が減少します。また贈与することにより今までご自分にたまっていた家賃収入がもらった人に蓄積されるため相続税対策となり、もらった人は将来の相続税を支払う原資として貯金していくことができます。さらに現金贈与をしていくことにより、相続人はまとまったお金を貯めることができます。デメリットとしては、登記費用と不動産取得税がかかるのと場合によっては相続税評価が増加してしまう場合があることです。トータル的に判断して有利と思えば、実行したいところです。

8. 住宅取得等のための資金贈与の非課税

その年において20歳以上で、その年分の合計所得金額が2,000万円以下である人が、その直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けて住宅を取得し居住すれば、平成22年中であれば1,500万円、平成23年中であれば1,000万円までの金額は贈与税が非課税になります。そのため、3年以内の贈与の持ち戻しの対象にはならないので有利です。

9. 相続調査について

家族名義の預金について、本当にその名義の人の預金かどうかがよく問題となります。その人の収入は給与やその人の家賃収入など入金は限られています。その収入以上の残高があるということは、当然にお金をもらっていなければその金額にはなりません。ご自分の預金についてはご自分なり配偶者が管理されているかと思われます。成人していればご自分の預金は自分で管理することが必要です。またご自分で管理していれば親からいつぐらいにいくらぐらいもらったなどを聞かれても言えるでしょうが、親が勝手にしてくれている場合だと分からないので説明ができません。そのような預金については名義預金として相続財産に含まれることになりますのでご注意ください。

このページの先頭へ