今回は、「ふるさと納税制度と寄付金控除」についてお話していきます。
皆さんも「ふるさと納税制度」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。
「納税制度」というと、税金を納めるという感覚がありますが、実は、このふるさと納税制度とは、ふるさと(自分が貢献したいと思う都道府県・市区町村)に対する寄付金のことをいいます。
ここでいう「ふるさと」には細かい定義は無く、出身地・住所地はもちろんのこと、出身地・住所地以外であっても「過去にお世話になったふるさと」や「今後応援をしたいふるさと」など、皆さんが寄付する都道府県や市区町村を自由に選択することができるのです。
また、ふるさと納税制度は、各都道府県・市区町村が寄付金の使途を明らかにしているため、皆さん方が寄付金の使途・目的を選択できるのです。
例えば、名古屋市では、「ふるさと寄付金(納税)制度」という名称で、寄付金の使途は以下の7項目からなっています。
①名古屋城本丸御殿復元寄付金
②名古屋城寄付金
(名古屋城の整備に充てる寄付金)
③文化振興寄付金
(音楽、演劇、舞踊、伝統芸能、美術など市民文化振興事業推進の為の寄付金)
④健康福祉事業寄附金
(高齢者福祉、障害者福祉、福祉のまちづくり、生活福祉、健康分野などの健康福祉事業の為の寄付金)
⑤子ども青少年事業寄附金
(子ども達が健やかに生まれ育つための次世代育成支援の推進の為の寄付金)
⑥教育事業寄附金
(教育環境の充実や子どもたちの教育の振興の為の寄付金)
⑦国際交流事業寄附金
(市民レベルの国際交流の推進や外国人留学生が安心して勉強できる環境作りの為の寄付金)
この「ふるさと納税制度」は特定寄付金に該当し、「寄付金控除」として所得税・住民税の計算上所得金額から一定額が控除され、税金が安くなることとなります。
所得税法第78条において「居住者が特定寄付金を支出した場合には、次の算式により計算した金額を、課税標準(所得金額の合計額)から控除する。」と規定しています。
※①所得金額の合計額とは、確定申告書第一表の左側中央の⑨番の金額をいいます。
※②平成22年度税制改正により、足切額が5,000円から2,000円に引下げとなりました。
特定寄付金とは、次のいずれかに該当するものをいいます。ただし、学校の入学に関して支出した寄付金は特定寄付金にはなりません。
①国や地方公共団体に対する寄付金。但し、寄付をした人に特別の利益が及ぶ寄付金は除きます。
②公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄付金で財務大臣の指定を受けた寄付金。
③特定公益信託の信託財産とするために金銭でする寄付金のうち、信託終了のときにおける信託財産が信託の委託者に帰属しないなどの要件を満たすもので、信託の目的が教育や科学の振興など公益の増進に著しく寄与すると認められるもの。
④公共法人・特定公益増進法人に対する寄付金で、その法人の主たる目的である業務に関連するもの。
⑤政治献金のうち一定のもの。
⑥認定NPO法人に対する寄付金(その寄付した者に特別の利益が及ぶ寄付金は除きます。)で、特定非営利活動に係る事業に関連するもの。
(注)平成13年10月1日以後に認定を受けた認定NPO法人に対し、認定の有効期間内に支出する寄付金について適用されます。
ここでご紹介した特定寄付金はごく一部です。特定寄付金の範囲はかなり広範囲にわたっていますので、インターネットなどで検索してみるといいでしょう。
【例1】
A市へのふるさと納税の支出額が10万円
その年分の所得金額の合計額が1,000万円である場合
所得税の寄付金控除
①100,000円
②10,000,000円×40%=4,000,000円
③①<②∴100,000円-2,000円=98,000円
従いまして、98,000円が寄付金控除として所得金額から控除できます。(この他、住民税(計算が複雑となるので割愛します)についても寄付金控除が受けられます。)
【例2】
A市へのふるさと納税の支出額が5万円
B市へのふるさと納税の支出額が3万円
C市へのふるさと納税の支出額が2万円
その年分の所得金額の合計額が500万円である場合
所得税の寄付金控除
①50,000円+30,000円+20,000円=100,000円
②5,000,000円×40%=2,000,000円
③①<②∴100,000円-2,000円=98,000円
従いまして、98,000円が寄付金控除として所得金額から控除できます。(この他、住民税(計算が複雑となるので割愛します)についても寄付金控除が受けられます。)
つまり、特定寄付金の額が所得金額に比べて異常に多くない限り、特定寄付金から2,000円を控除した金額が寄付金控除の対象となります。
尚、所得税の寄付金控除を受ける場合には、確定申告をする必要があります。(給与所得者の年末調整では控除はできません。)確定申告書に必要事項を記載し、次の書類を添付するか、申告書提出の際に提示する必要があります。
①寄付した団体や特定公益信託の受託者などから交付を受けた受領書など
②特定の公益法人や学校法人に対する寄付と特定公益信託の信託財産とするために支出する金銭については、その法人や信託が適格であることの証明書や認定書の写し
③政治献金については、確認印のある「寄付金(税額)控除のための書類」
※確定申告書を提出するときまでに「寄付金控除のための書類」が間に合わない場合には、この書類を添付しないで確定申告を行っておき、この書類は、後日、交付を受けしだい税務署に提出することとして差し支えありません。
寄付する都道府県・市区町村によっては、ふるさと納税による寄付金の額に応じて、「お礼」と称してその地方の特産品や記念品が送られてくるケースがあるそうです。
冒頭でもご紹介しましたが、寄付する都道府県・市区町村を自由に選択できます。インターネットのホームページなどでふるさと納税に関する特典が掲載されていますので、参照してみてください。