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知って得する税務講座

平成21年度税制改正による住宅税制の紹介

河原 肇税理士

今回のテーマは「平成21年度税制改正による住宅税制」についてです。住宅税制については昨年も取り上げましたが、平成21年度の税制改正で今まで以上に所得税の節税ができるようになりました。
今回は、住宅税制のうち住宅の新築・改修等をした場合に住宅借入金等がなくても適用のある税額控除制度を中心にご説明していきましょう。

Ⅰ 認定長期優良住宅特別税額控除(新設)

長期優良住宅(いわゆる200年住宅)の普及の促進を、税制面からも支援するために新設された税制です。従来の住宅税制では住宅借入金等がなければ税額控除が認められていませんでしたが、平成21年度の税制改正により住宅借入金等がなくても次の要件を満たす場合には、以下の税額控除を受けることができるようになりました。尚、従来の住宅借入金等特別税額控除・長期優良住宅借入金等特別税額控除との選択適用となります。

適用要件
(1).認定長期優良住宅の新築又は、新品の認定長期優良住宅の取得をすること(中古取得・増改築は対象外)
(2).長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行日(平成21年6月4日から平成23年12月31日までの間)に①のその住宅を居住の用に居住すること
(3).(1)の住宅の新築又は取得した日から6ヶ月以内にその者の居住の用に供すること
(4).(1)の建物の床面積が50㎡以上であること
(5).控除を受ける年分のその者の合計所得金額が3,000万円以下であること
(6).控除を受ける年分の確定申告をすること

認定長期優良住宅特別税額控除額(居住年適用、但し控除不足額は翌年に繰越可能)標準的な費用の額(注1)と10,000,000円とのいずれか小さい金額の10%相当額(百円未満切捨)
(注1)標準的な費用の額とは、認定長期優良住宅の構造の区分に応じ、あらかじめ定められた金額に床面積を乗じた金額をいいます。

Ⅱ 特定諸従者向け既存住宅特定改修工事特別税額控除(新設)

従来の「バリアフリー改修税制」は平成19年度に創設され、特定居住者(注2)がバリアフリー改修工事をしてその工事に係る一定の増改築等借入金等がある場合に5年間の税額控除が認められていましたが、平成21年度税制改正により増改築等借入金等がなくても次の要件を満たすバリアフリー改修工事・省エネ改修工事を行った場合には、以下の税額控除を受けることができるようになりました。尚、住宅借入金等特別税額控除、増改築等借入金等特別税額控除との選択適用となります。
(注2)特定居住者とは、①年齢50歳以上である者 ②介護保険法に規定する要介護認定者、又は要支援認定者又は障害者 ③居住者の親族で、年齢65歳以上である者、又は上記②に該当する者と同居を常況としている者をいいます。

適用要件
(1).居住用家屋につき行う改修工事を行うこと
(2).「高齢者等居住改修工事等(注3)」に要したバリアフリー改修工事費用の額が30万円を超えるものであること、又は「一般断熱改修工事等(注4)」に要した省エネ改修工事費用の額が30万円を超えるものであること
(注3)高齢者等居住改修工事等とは、居住者が所有する家屋につき行う高齢者等が日常生活を営むのに必要な改修工事で一定のものをいいます。
(注4)一般断熱改修工事等とは、居住者が所有する家屋につき行うエネルギーの使用の合理化に資する改修工事で一定のもの及びその工事と併せて行う太陽光発電設備の取替え又は取付けに係る工事で一定のものをいいます。
(3).平成21年4月1日から平成22年12月31日の間でその改修工事の日から6ヶ月以内にその者の居住の用に供すること
(4).工事をした家屋(2分の1以上が居住用)の床面積が50㎡以上であること
(5).控除を受ける年分のその者の合計所得金額が3,000万円以下であること
(6).控除を受ける年分の確定申告をすること 等

既存住宅特定改修工事特別税額控除額
(居住年のみ適用)
(1).バリアフリー改修工事
バリアフリー改修費用の額(実額)と標準的な費用の額(注5)とのいずれか小さい金額(200万円を限度)の10 %相当額 (100円未満切捨)
(注5)標準的な費用の額とは、高齢者等居住改修工事の内容に応じ、あらかじめ定められた金額に床面積を乗じた金額をいいます。
(2).省エネ改修工事
省エネ改修費用の額(実額)と標準的な費用の額(注6)とのいずれか小さい金額(200万円を限度(注7))の10%相当額(100円未満切捨)
(注6)標準的な費用の額とは、エネルギーの使用の合理化に資する改修工事及び地域の区分応じ、あらかじめ定められた金額に床面積を乗じた金額をいいます。
(注7)太陽光発電設備の設置を行う場合には300万円が限度となります。
(3).(1)と(2)の両方の工事を行った場合
(1)の控除額と(2)の控除額の合計額で年間20万円を限度(注8)
(注8)太陽光発電設備の設置を行う場合には年間30万円が限度となります。

Ⅲ 一般居住者向け既存住宅特定改修工事特別税額控除(新設)

平成21年度税制改正により特定居住者以外の居住者についても、増改築等借入金がなくても次の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合には、以下の税額控除を受けることができるようになりました。
 尚、住宅借入金等特別税額控除、増改築等借入金等特別税額控除との選択適用となります。

適用要件
(1).居住用家屋につき行う改修工事を行うこと
(2).省エネ改修工事(「一般断熱改修工事等」に要した工事費用の額が30万円を超えるもの)であること
(3).平成21年4月1日から平成22年12月31日の間でその改修工事の日から6ヶ月以内にその者の居住の用に供すること
(4).控除を受ける年分のその者の合計所得金額が3,000万円以下であること
(5).控除を受ける年分の確定申告をすること 等

特定増改築等特別税額控除額(居住年のみ適用)
省エネ改修費用の額(実額)と標準的な費用の額とのいずれか小さい金額(200万円を限度(注9))の10%相当額(100円未満切捨)
(注9)太陽光発電設備の設置を行う場合には300万円が限度となります。

Ⅳ住宅耐震改修特別税額控除 (延長・改組)

この規定は住宅の耐震改修を支援するために平成18年に創設された税制ですが、平成25年12月まで延長され適用要件が一部改組されました。次の要件を満たす耐震改修工事を行った場合には、以下の税額控除を受けることができます。また、住宅借入金等特別税額控除の要件も満たせば、住宅借入金等特別控除との重複適用も可能です。

適用要件
(1).住宅耐震改修促進計画区域内等一定の区域内にある自己の居住用家屋であること
(2).(1)の居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築されたもので一定もの)の住宅耐震改修をすること
(3).地方公共団体の長が計画の区域内にある家屋である旨を証明する住宅耐震改修等証明書の交付を受けること
(4).控除を受ける年分の確定申告をすること 等

住宅耐震改修特別税額控除額(改修工事年のみ適用)
耐震改修費用の額(実額)と標準的な費用の額(注10)とのいずれか小さい金額の10%相当額と20万円のいずれか小さい金額(100円未満切捨)
(注10)標準的な費用の額とは、住宅耐震改修の内容に応じ、あらかじめ定められた金額に床面積を乗じた金額をいいます。

Ⅴその他の住宅税制

平成21年度税制改正では、上記の他、以下の住宅借入金等がある場合の税額控除制度も拡大されました。
(1)従来の住宅借入金等特別税額控除額が、最高で年間50万円に引上・控除不足額の住民税からの控除
(2)認定長期優良住宅借入金等特別税額控除の創設により、最高で年間60万円の税額控除
(3)上記Ⅱ・Ⅲの既存住宅特定増改築等で増改築等借入金がある場合の税額控除制度の延長・改組 等

Ⅵ 最後に…

これらの税額控除の適用を受けようとする場合には、適用の可否、いずれの制度が有利かの選択、申告に当たっての書類等が必要となりますので、あらかじめ貝沼建設株式会社、市町村の役所、税理士等にご相談ください。

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