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事業用定期借地権契約の契約期間の変更をしたい場合と方法について

  • 法律講座

2019年5月30日

オーナーは、10年前に事業用定期借地契約をしました。期間終了の時期が近づいてきたときに、テナントから10年間の契約期間を延長したいという申出がありました。オーナーも期間を延長することは構わないが、10年後には確実に返還して欲しいと考えています。
このような場合、①事業用定期借地権契約で期間満了後の期間の延長をすることはできるのか、②延長する場合の手続は、私文書延長を内容とする契約書を交わすだけでいいか、それとも公正証書で期間延長を定めたほうがいいのか、が問題となります。

 

まず事業用定期借地とは?
事業用定期借地権は、旧借地法を改正した借地借家法(平成4年8月1日施行)で定められた制度です。これまでは、オーナーから借地契約を終了させるには「正当事由」が必要とされ、そのために多額の立退料を提供することが必要でした。しかし、これでは貸した土地が半永久的に返還されないという事態が頻発し、土地の貸し渋りが生じて有効活用ができないという不都合が生じました。
こうしたことから、契約期間が過ぎたら確実に土地を返還してもらう制度として創設されたのが、事業用定期借地制度です。
当初は、契約期間は10年以上20年以下となっていました。しかし、今度は逆に、当初は経営状況を懸念して契約期間を短めに設定したが、契約期間が過ぎても引き続き事
業を継続したい借地人が出てきました。
こうしたことから、平成20年から存続期間の設定が、「10年以上50年未満」に改正されました。

①事業用借地契約の期間の延長はできるのか?
(1)更新との違い
事業用定期借地権は、居住用を含む定期借地権と同様に、更新ができない契約です。すなわち、当初の契約期間が経過すると、借地契約は終了となりますので、オー
ナーはテナントに対して、土地を更地にして返して下さいと請求することができます。
ここで、期間の延長や再契約をせず、契約期間が経過してもしばらく地代を漫然と受け取っていると、黙示の普通借地契約が成立したと判断されることがあります。

(2) 存続期間の延長はできます!
延長は、当初の存続期間だけの変更であり、更新と性格が異なるので、合意があれば可能です。このことは借地借家法でははっきりと書かれていません。しかし、法務局
が、事業用定期借地権設定の期間の変更登記を認めていることから、契約期間の延長ができるとされています。
これは、元々の契約内容のうち、契約期間だけを変更することを前提としています。
したがって、設定当初の存続期間10年を10年延長することについては、借地借家法で定められている最長50年未満までの法定期間内なので、存続期間の変更は可能で
す。
もっとも、契約期間が30年以上の契約の場合、普通借地との違いをはっきりさせるために、「存続期間の延長が無いこと」と「建物買取請求権が無いこと」を契約書に定め
る必要があるなど内容が異なってきますので、通算30年以内に収める必要があります。

⑶ 再契約
事業用定期借地権の存続期間の最短は10年であることから、延長期間を10年とするのなら、延長の合意によらず、再契約する方法も考えらます。
期間以外の契約内容も変更する場合には、改めて新規に契約をした方がよいです。
再契約の場合、当初の契約の手順をすべて踏まえないと、普通の借地契約と同じ扱いになるので、注意が必要です。

②延長する場合の手続は?

事業用定期借地権の設定契約は、借地借家法で公正証書によるとされています。これは公正証書で作成しないと、事業用定期借地契約としての効果が発生しないという
ものです。
存続期間の変更やその方式については、借地借家法に規定はないので、私文書で覚書を作成すれば足りると思うかもしれません。
しかし、最初の契約は公正証書で作成することを義務付けており、存続期間は契約内容の中でも重要な事項です。
したがって、後になってトラブルにならないために、期間変更の合意も公正証書で作成するようにしてください。

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